暗闇〜闇の無い現代に闇を求める人〜

暗闇〜闇の無い現代に闇を求める人〜

とにかく現代の日本は明るい。どんな辺鄙な土地でも街灯が灯されている。
防犯の意味もあるのだろうが、今暮らす人の街で暗闇を見つけるのは難しい。

目次

希望は闇の環境で生まれ、絶望は心の闇が育む

まだ電気が無い頃は、夜は普通に暗闇となり、人々は闇の時間を感性豊かに生きてきました。
暗闇の先は夜明けの朝です。
闇の中を生きることで、心身ともにリセットされて朝とともに甦りの時を迎えるのだと思う。

逆に今は光に満ちた社会を私たちは生きています。あらゆる表面的なものが見えすぎるから、人は闇を求めて心の中に深い闇を作ります。
心の中の闇は、人を鬼畜に変え、餓鬼を産みます。希望に繋がる表層の闇と、絶望に沈み外道に落ちる内面の闇があります。

私は自然の森の中では、暗闇に恋をする

夕暮れから漆黒の暗闇を迎えた時、生き物たちの吐息さえも闇が消し去ってしまう。そして自らの強さと弱さを否応なしに知るところとなります。

本当の自分自身の姿を、暗闇の鏡に映し出されるのです。

電子機器とも距離を置いた時間を、暗闇の中で生きているのなら、とてつもなく五感が鋭くなっていることに気付くだろう。
その状態に身をおけたなら、実に楽しく興味深い時間を過ごすことができるだろう。
暗闇では目は何の意味もなく、心の目で印象を感じ取るしかありません。そして、音や匂いや触感で感じ取ることをイメージ化したり、言語化したりしながら常に素の自分自身と対峙します。
ときには無様な自分の姿を見てしまうかもしれない。
でもそれでいいのだと思う。

本能のままに映し出された誠の姿に、何を思うだろうか?
でも明るすぎる環境に暮らす私たちには、時々はそんな時間も必要なんだと思います。

私は自然の森の中では、暗闇に恋をする

芸術的感性の原点は洞窟の暗闇

もっと時代を遡って、闇の洞窟で暮らしていた私たちの祖先は、闇の中で感受性や感性を育んだのではなかろうか。
想像性豊かな壁画や文字が残っているのが、その証拠ではなかろうか。
暗闇は人間の感性を育てるのです。

深い森でキャンプをしていると、星明かりさえ明るすぎると感じます。
装飾のない暗闇の世界から、奇抜な創造主に生まれ変わることも可能なのだと知ることができます。
少し日常を離れるとそんなことにも気がつける環境があることを、創作をしている人に知ってほしいな。

芸術的感性の原点は洞窟の暗闇

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