戸隠神社・中社(長野市戸隠)五社巡りの中心を見守る樹齢800年の神木

戸隠神社・中社(長野市戸隠)五社巡りの中心を見守る樹齢800年の神木

中社から奥院までハイキングスタイルで登る人もいるので、中社にはとても大きな駐車場があります。大型のバスも余裕で何台も止めることができます。
駐車場からそのまま中社の社殿に近道で行くことができますが、私は正面の鳥居から入りたかったので、少し坂を下って大鳥居の前から一礼して参拝することにしました。

戸隠神社・中社の鳥居
戸隠神社・中社の立派な鳥居
目次

戸隠の神域は社殿の裏に隠されるように存在する?

御神木
御神木の三本杉がよく目立ちます。
御神木

境内に入って最初に目につくのが樹齢700年を超えるご神木、樹齢800年を超える三本杉です。

由緒では寛治元年(1087年)に当時の別当が、「当山は三院たるべし」という夢告を受け、奥院(現在の奥社)と宝光院(現在の宝光社)の中間に位置するこの地に中院(現在の中社)を創建したと「戸隠山顕光寺流記」に掲載されています。

御祭神は「天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)」
素戔嗚尊の度重なる非行に天照大神が天岩戸にお隠れになった時、岩戸神楽(太々神楽)を創案し、岩戸を開くきっかけを作られた神です。学業成就・商売繁盛・開運・厄除・家内安全に御神徳があります。

中社で面白いのはおみくじです。一般的には参拝者が番号を引き当てて、巫女さんに伝えておみくじをもらうパターンですが、こちらでは自分の年齢(数え年)、男女の別を神職に伝えてから授与されるという特徴があります。

社殿は寛治元年(1087年)に創建された後、何度も建て直されており、現在の社殿は昭和31年に再建されたものです。

妻入り向拝唐破風付きの社殿で、外陣の中央に神楽の舞台が作られており、毎年数々の太々神楽が奉納されています。

社殿の奥には、小さな滝がありました。「さざれ滝」と言います。小さいながらも何か不思議と力がみなぎってくるような感覚になります。

さざれ滝
さざれ滝

戸隠神社 中社(ちゅうしゃ)

所在地/長野県長野市戸隠3690
祭神/天八意思兼命

【三本杉伝承】
昔々、若狭の国に漁師がおりました。
漁師の妻は早くに亡くなってしまい、漁師は子供三人と暮らしていました。
ある時、いつものように漁に出かけた漁師は、入江で水浴びする美しい女を見つけました。
漁師はしばしその美しさに目を奪われ、見とれていましたが、よく見ると女性の体がウロコで覆われていることに気づきました。
漁師は、「これが人魚というものか。他の者にも見せてやりたい」と持っていた漁具で人魚を捕まえてしまいました。
捕まった人魚は一生懸命に命乞いしましたが、漁師はこれを聞き入れず、ついに人魚を殺してしまいました。
漁師は死んでしまった人魚の肉を家に持ち帰り、子供たちに見つからないように隠しました。

翌日、漁師はいつものように漁に出て、子供たちは家で留守番をしていました。
留守番をしていると、だんだんお腹が空いてきて、食べ物がないかと探したところ、漁師の隠した人魚の肉を見つけて、食べてしまいました。

漁師が家に帰ると、昨日隠した肉が見当たりません。
そこで子供に聞いてみると、なんと「食べてしまった」というではありませんか。
漁師はたいそう驚きました。
なぜなら、人魚の肉を食べた者は人魚になってしまうと、古くから言い伝えられているからです。

そしてその言い伝えのとおり、みるみる子供たちの身に異変が現れ、次から次へと体にウロコが生えてきました。
でも漁師はなすすべもなく、眠れない日々を過ごしていました。

そんなある日、眠っているときに「漁師よ、剃髪して出家せよ。そして戸隠大権現に詣で、子供を救うため、忠誠を誓うため、三本の杉を植えよ。そして、戸隠三社の御庭草を八百日踏んで、そちの無益殺生の後悔の真情を神に祈れ」とのお告げがありました。

目を覚ました漁師のそばには、すでに冷たくなった三人の亡骸がそこにありました。
漁師は、早速、このお告げを近くの住職に語り、お告げのとおり剃髪をし、名を八百比丘と改めて、お告げのとおり戸隠大権現へはるばる赴きました。
そして現世の減罪と永代の繁栄を祈りつつ、正三角形に三本の杉を植え、三社の御庭草を八百日踏んで、八百比丘の名を残しました。

各SNSも運用しています。
フォローをお願いします!

この記事をシェアして共有したい方は下記からどうぞ

記事についてコメントしたい方は↓

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次