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ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 – 国立国際美術館
東京でも話題になり、NHKの日曜美術館でも放送されていた展覧会「ブリューゲル「バベルの塔」展」を大阪中之島にある 国立国際美術館で観てきました。
この展覧会に何を期待していたのか?
数ヶ月前にベルギー奇想の系譜という展覧会を観てから、ピーテル・ブリューゲルやヒエロニムス・ボスの魅力にはまっていたので、今回はそのブリューゲルの世界を堪能できるものと思っていました。
ところが、実際に会場で観たものは、「宗教画」「宗教芸術」という面を中心に捉えた展示内容でした。
ブリューゲルの大特集なのかと思っていたら、肩透かしを食らったようで、物足りなさだけが残りました。
まぁ、現存する油彩の真作が世界に40点ほどしかないと言われているブリューゲルですから、展示が少なくなるのも仕方がないと思いますが、「バベルの塔」という主題を設けるなら他の作家たちが描いたバベルの塔をもっと展示しても良かったのではないかと思いました。
他の宗教芸術を盛り込んでしまうと、主題がぼやけて見る側の期待を悪い意味で裏切ることになってしまいます。
さて、前置きは愚痴になってしまいましたが、ブリューゲルの「バベルの塔」は、想像していたよりも画面は小さいと感じたものの、その中には実に様々な人間模様や建設や生活の営みが細かく描かれていて、とても面白かった。
肉眼では捉えきれない細やかさなので、バベルの塔を鑑賞するには双眼鏡が必須です。
もし、ブリューゲルやボスの世界観を堪能したいなら、「バベルの塔展」よりも「ベルギー奇想の系譜展」がおすすめです。