日本のカッターはNTに勤めていた岡田良男氏が発案したもので、その岡田氏が独立して作った会社がオルファです。
だから似ているのはあたりまえで、替刃の互換性もあり、消費者にとってはどちらを使えばいいのか、迷うところです。
メーカーによるデザインナイフの違い
個人的な印象でいうと、オルファカッターは木工やプラモデルなど工作用の工具という感じで、NTカッターは紙を切る文房具のイメージがあります。
それはカッターのデザインにも現れていて、オルファカッターはイエローのカラーイメージが強くてどこか武骨な工具系な感じ。NTカッターはシルバーとブラックの上品な感じです。
切り絵で使うのはデザインナイフですが、持った感触も少し違いがあります。
オルファカッターは樹脂パーツが多いから軽くて、少し太くて力が入りやすい。ガツガツと切ったり削ったりするのに向いています。
NTカッターは細身で金属パーツが使われていて少し重いので、小回りがきいて繊細な細工に向いています。
またデザインナイフや替刃のラインナップが豊富なのもNTカッターの魅力です。
私は大きく大胆に切る時やアクリル板を加工する時にオルファカッターを使って、切り絵制作でメインに使っているのはNTカッターです。
外国製のデザインナイフもあります。使った感じでは日本メーカーと比較すると作りの精度がイマイチな印象です。刃先を固定している部分が緩みやすいものが多く、切り絵制作中に刃先がポロリと外れたりするので私はあまり使いたくありません。
道具は自分に馴染ませるもの
私はもともと木彫をやっていたので、デザインナイフの柄の太さに馴染めない。だから少しカスタマイズして太くして使っています。
持った時に適度に力が抜けて、刃を小刻みに動かせることが理想です。
職人は誰しも、既成の道具を自分の手に馴染むように仕立て直すものです。使いこなせるまで、自分の手を道具に合わせるのではなく、道具を自分に合うようにカスタマイズするのが基本的な考えです。
刃先も砥石でとげば欲しい角度にすることが出来ます。
カッティング用のマットも硬いなぁと思うなら、厚いビニール製のデスクマットを使いたいサイズに切って使えばいい。
カスタマイズすることを前提にするなら、バリエーション豊富なNTカッターは理想的です。