元伊勢籠神社(京都府宮津市)~魔よけの狛犬が守護する厳かなる神社~

天橋立を北端まで歩くと、そのすぐ先に元伊勢籠神社があります。
丹後国一宮、山陰道一の大社というだけあって、道路に面した大きな鳥居から覗く本殿へと続く境内をみてもとても立派な神社です。
祭神が籠に乗っての中に現れたという伝承があることから、通常は「籠神社」と呼ばれています。

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蝉の声も清々しく、神主の読む祝詞が境内に響く

神門の両脇には、とても面白い表情をした狛犬が睨みを利かせています。
この石造りの狛犬は凝灰岩製で、安土桃山時代の作の重要文化財(神社側の説明では鎌倉時代作となっている)です。
この狛犬には伝説があります。

阿形の狛犬の右前足を見ると割れて鉄輪が嵌められていますが、伝承によると作者の一心で魂の入った狛犬が、不意に天橋立の松林に出現して元伊勢参りの参拝者や通行人を驚かすなど悪さをしていたそうです。
天正年間(1573年-1592年)に仇討のため境内に潜んでいた岩見重太郎がこれを聞いて鎮霊を決意し、一夜待ち構えて暗闇の中で音の方向に刀を一閃したところ石の狛犬の前足が切れて、それ以来狛犬の出現がやんだと言う。
そして狛犬は社頭に還り、魔除けの狛犬として霊験あらたかになったそうです。

神門から先の境内は撮影禁止です。ちょうど私がお参りしたときは朝の祝詞が挙げられているところで、神主の美しい声が社殿に響きとても神聖な気持ちになりました。

●元伊勢籠神社の概要

所在地/京都府宮津市字大垣430
主祭神/
彦火明命(ひこほあかりのみこと)
別名を天照国照彦火明命ともいい天孫邇邇藝命の兄弟神。天祖から息津鏡・邊津鏡を賜り、海の奥宮である冠島に降臨され、丹後・丹波地方に養蚕や稲作を広め開拓された神様。
相殿神/
豊受大神(とようけのおおかみ)
天照大神(あまてらすおおかみ)
海神(わたつみのかみ)※社家海部氏の氏神。
天水分神(あめのみくまりのかみ)
社格等/式内社(名神大)、丹後国一宮
創建/不詳(有史以前)
本殿の様式/神明造
別名/元伊勢籠神社・内宮元宮・籠守大権現

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