切り絵の制作中に次回作へのヒントが見つかることもある

スケッチブックやキャンバスに絵を描いている際は、要所要所で離れて全体を眺めてみるという行為をすることで、デッサンの狂いを発見したり、明暗や色彩のバランスを確認することができます。
切り絵を制作している際には、切りすすめるにつれて下絵の線と切り口がごちゃっとして自分が何を切っているのかわからなくなるから、時折裏返して形や線の確認をします。
絵画であれば筆を持ちながら手を伸ばして距離を開けながら描くということもできますが、切り絵の場合はそれができません。目と手の位置がかなり近いのでおのずと目に見える範囲というのは小さくなってしまいます。
気をつけないと文様などの密度が全体から見てバランスがおかしくなります。

切り絵の制作中に次回作へのヒントが見つかることもある

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他人の視点で見ると新鮮な発見がある

ちょっと小休止を入れたりするときや、溜まった切り屑を掃除するときに制作中の切り絵を裏返して確認作業をします。
ときには窓辺や照明に近い場所で透かしてみたりします。
裏返すと下絵は見えないので、単純に切り進んでいる途中経過だけをみることになりますが、これがなかなか新鮮な印象で見ることができます。
自分で切っておきながら、「おもしろい切り絵だなぁ」とまるで他人の作品を眺めるような感じです。

今作っている作品も、まず最初に人物の目の部分を切りました。なぜ目から切ったかというと、絵の全体の印象を決定づける重要な部分だからです。目の表情が自分の意図通りに決まると、その後の作業がとてもやりやすいのです。
目の表情付が上手くいくと、次は顔を仕上げる前に体から切り進めました。顔は線が細い部分が割と多めなので、先に仕上げてしまうと作業中に千切ってしまう可能性があるからそうしました。
ある程度体を切り終えて裏返して見たとき、なんだか面白い作品ができたような印象を持ちました。
体はちゃんと切り終えてあるけど、顔の部分は真っ黒で目だけが光っています。何か作品が語ってくるような印象です。これはこれで次の作品のアイデアに活かせそうです。
制作中の作品はまだまだ先が長いので、これからどんな発見があるのか楽しみです。

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