金比羅神社(京都府京丹後市)~狛猫も守護する、丹後ちりめん発祥の産地で愛される神社~

金毘羅さんと聞いてまず思い出すのが、とてつもなく長い階段を登らされることです。
しかし丹後市にある金毘羅神社は、そこまで長い階段ではなかったのでちょっとお参りしていこうと立ち寄りました。
境内に入って最初に驚いたのが、「亀の池」にいる大小様々な亀たち。
神社のほうで保護活動をしているそうで、日本固有種の中に少しだけ外来種が混ざっていました。折り重なって甲羅干ししている様子が、のんびりしててよかったです。

目次

地元の織物産業の守護神となった猫神

最初に右側の石段を登って「神門」をくぐり、稲荷社を参拝。
それから木島社へ。ここには大変珍しい「狛猫」があります。
なぜ猫が?現代の猫ブームのせいかな?と思ってしまいますが、そうではなくこの地の風土に裏付けられた理由がありました。

金毘羅神社のある丹後 峰山は、丹後ちりめん織物発祥の地です。
峰山の町には、ちりめん問屋、糸屋が軒を連ね、関西方面から来る織物業者で賑わい、周辺の村々で機織りが盛んになり、農家は絹を生産するための養蚕を営みにしていました。
養蚕の大敵は「ネズミ」です。だから大切な蚕を守ろうと、ネズミを追いやるために、猫を飼い始めました。
そして今から200年ほど前に猫を「機織養蚕の守護神」として祀られるようになったのです。

人の身につき願ひて叶はざることなき大神

上まで登りきると立派な拝殿と本殿があります。
秋や年末年始は、結構賑わうんだろうなという雰囲気があります。
この先もずっと山道が続いているので、ハイキング道としても利用されていると思います。

金比羅神社の拝殿
拝殿の奥にある本殿

ご祭神は『人の身につき願ひて叶はざることなき大神』と称えられるほどの広大無辺なご神徳があると伝えられる大物主大神(おおものぬしのおおかみ)です。

またこの大物主大神は国津神の統領として、広く信仰を集めていたことから、全国の神々が出雲に集う神無月の際には「こんぴら様だけは出向かわれず、祭礼にお残りになられる」のだとか。

境内がとてもきれいに清掃されているので、地元の人々に愛されている神社なのだなという感じがしました。

●金比羅神社の概要 

所在地/京都府京丹後市峰山町泉1165-2
主祭神/大物主神
創建/1811年(文化8年)

京丹後市峰山町の金刀比羅神社は、文化8年(1811年)峯山藩7代藩主京極高備の命によって讃岐金毘羅宮より御分霊をお迎えして創建されました。

金毘羅権現は日本一社として、分宮をしない掟があったのですが、当時の金毘羅権現別当であった金光院が、尊光と共に高野山で学んだ旧知の仲であったことや、高備の同族である多度津藩の京極家の縁もあり、分宮が認められたという。

最初の社殿は昭和2年(1927年)3月7日に丹後半島を襲った北丹後地震により、全壊し失われ、昭和8年(1933年)に再建されました。

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