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空海の読経が聞こえるような厳かな霊域で信仰の深さを知る
弘法大師空海が深い禅定に入られて1200年以上、高野山信仰の中心地とされるのが、奥の院弘法大師御廟です。
そこに至る参道には、数多くの墓石が祀られ独特の雰囲気に圧倒されます。
あたりは杉の巨木が立ち並び、昼間でも薄暗い。
私は以前数回に渡って奥の院を訪れたことがあったのですが、参道と御廟の往復をしただけでした。
山道の近くには有名な武将たちの立派な墓石を見ることができますが、観光客のための見世物になってしまったような寂しさがありました。
だから今度は五感のアンテナを張り巡らせてじっくりとまわりたいと思い、訪れたわけです。
メインの参道には山の奥に続く枝道が、いくつもあることにはじめて気がつきました。
その道すがらもたくさんの墓と石仏があります。
奥まで進むと天災で倒れて割れた墓石や半分土に埋まった墓石や、厚い苔に覆われた石仏など、奥の院の自然な姿を見ることが出来ました。
さらに参道は細い山道の奥の奥まで続いており、墓石を運ぶのも大変だし、なぜそこまで運んだのかと、人の信仰心というものの深さが知れたように思いました。
人の思いは引き継がれても、形あるものは脆く崩れて自然の姿に還るもの。それを儚いと思うのか、尊いと思うのか、様々な感情が湧き上がってきました。
真言密教の聖地に鳥居というのが謎 朽ちていく墓石もあちらこちらにある
高野山奥の院の概要
所在地/和歌山県伊都郡高野町高野山132
料金/入場料、拝観料ともに無料