ネットで調べると10年ほど前までは境内にスダジイの巨樹があったという記述が見られますが、現在は枯れてしまったのか、伐採されたのか、その姿を見ることはできません。
大浦半島の海岸から少し山の方を走る車道からは、神社の存在は全くわからない。だから大きな岩が目印となります。
由緒書によると・・・
境内には村内各所から遷座された産霊社(本殿)、熊野社を始め天満社・八幡社等がそれぞれ覆屋(おおいや)内に置かれる。また寛文年間から昭和年間まで棟札。木札が多数保存されている。
寛文11(1671)年の棟札があるが、産霊社の建立年には明和5(1768)年の棟札が相当し、部材細部の様式から見ても妥当である。大工は上瀬村三右衛門・藤八・正次郎であるmp
本殿内を前後二室にわけ、手前前室に透かし彫りを入れた両開き格子戸、奥を両開きの板扉とする。
擬宝珠付きの縁を四方に巡らすが脇障子は設けない。
縁は束上に台輪を回し、平三斗・蟇股を置き支えられる。
軒の組物は出組、軒天井は雲を彫った板支輪とする。
妻は丸彫の霊鳥をつけた大きな蟇股で棟を受ける。
向拝柱は几帳面取、水引虹梁上欄間に龍の透かし彫りを置く。
飛檐(ひえん)垂木先端は幅成ともにやや狭める。
彫刻は身舎柱(母屋のこと)の木鼻に丸彫彫刻、手挟(たばさみ)に透かし彫刻を用い、虹梁の絵様も全体に太く、若葉が発達している。彩色は為されず、ケヤキ材を酒とした素木建築である。屋根柿板に損傷が見られるが全体的に保存が良い。
旧地は現社地の南(奥の院と称され腐木のもとに石像を祀る)に社殿を構え、当地に遷座された(年代不詳)との伝承が残る。。
●産霊神社の概要
住所/〒919-2354 福井県大飯郡高浜町宮尾19-6
御祭神/天御中主神、高皇産靈神、神皇産靈神
・産霊(妙見)社 本殿
一間社流造、柿葺(こけらぶき)、四方回縁付、出組、軒板支輪、虹梁蟇股、二軒繁垂木
桁行1.73m、梁間1.54m、向拝間1.2m
建立年1768年