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自分で自分を殺さない
生きているものは、いつかは死を迎える。
抗おうが覆せないことです。
誰もが生きているうちに、自分の意志とは関係なく死を迎えるわけですが、自ら死を選択する場合もあります。
なぜ、死を選ぶのでしょうか?
その者が置かれた状況や背景から、多種多様な理由があると思います。
でもどんな理由があっても、どんな状況でも、最後の一瞬まで生き抜こうあがいてみせるのが生きる者の使命だと私は考えるのです。
なぜなら、自ら死を選択するということは、物凄いエネルギーが必要だと思いませんか?
そこまでのエネルギーがあるならばどうして?と考える私は甘いのでしょうか?
天から親から与えられた寿命です。できるだけ苦楽を一つでも多く体験してから逝きたいのです。
生かされる不自由
「自然死」という選択があります。
しかし現代は「自然死」を選択するにはとてもハードルが高い。
ある時、死の選択を考えなければならない状況というものもあると気ずきました。
植物状態になってしまった、身体が動かなくなる難病にかかる、昔ならそのまま自然死できたであろう。
今は治療という名目で、何度も手術され、身体にたくさんのチューブで繋がれて、ただ生かされます。
本人がそのままの寿命を全うしたいと願っても、周りが許さないのです。
自然界の動植物は、与えられた命の長さをありのままに生きて終える。
私もいつの頃からか、そうありたいと思うようになった。
これまで多くの宗教家や哲学者が「死」というものについて考え、芸術家は「死」のイメージを表現してきました。
超高齢化社会を生きる私は、これから「老いる覚悟」「死ぬ覚悟」を作品で表現していきたいと思う。