作品名/太陽神と月夜神
大きさ/約300mm×300mm
販売価格/ご相談受付中
過去のわたし自身への挑戦
数年前の私が神仏切り絵を始めて間もない頃、同じ二体の神を描きました。
当時は出来栄えに満足していたものの時が経つにつれ、何か満たされない気持ちというか、やり残したまま放置してしまっているようなそんな気がしていました。
た気持ちをスッキリさせたほうが良いと、再度描き直すことにしました。
こんな気持ちになるのも、私の気持ちと画力が少しづつでも向上している証拠なのだと思います。
太陽神と月夜神の違いが際立つ表現を、ひたすら模索する
最初に絵の対象をコンセプトから考え直しました。
二神の性格や役割の違いを明確に際立たせるためにはどんな表現をすればいいのか、何度も描き直しながら絵を熟成させていきました。
太陽神は鳳凰と森林と合わせて描き、月夜神は獅子と瀧を組み合わせました。これで天と地の神の姿という意味も込めました。
ラフスケッチが固まると、切り絵のための下描きです。
最近絵が細かすぎる傾向にあったので、原寸で細かくなり過ぎないように心がけました。
細部の表現は切りながら考えることにして、それぞれの部分の形を明確に描くようにしました。
実際に切り始めると、形が明確になっているぶんとても楽しんで切り進めることができました。
体の部分はかなりこだわったので、特に楽しめました。
作品が完成して額装する際には、切り絵とバック紙の間に1mmの透明アクリル板を挟み、少しだけ切り絵の影が出るようにしました。
50mm離すと額が大掛かりになり重量が増してしまう。30mm~5mmだと影が邪魔になって絵が際立たない。1mmだとちょうどいいあんばいだと判断しました。
理想はぼんやりとした影ができることだけど、それは照明器具によって変わってくるのでなかなかに難しい。
完成した作品は2021年の第二回神仏集合展と、第三回切り絵博覧会に展示しました。
未来と豊穣の象徴としての少女体型
あまりモチーフとなる存在に性別は意識していないのですが、今回の作品はツインテールの少女風になっています。子を産み育てる偉大な存在として、さらに誰からも愛される存在として、可能性の象徴として描きました。
太陽神は明るく燃える太陽を背にして、火の鳥とも称される鳳凰を胸に抱きます。
下半身は木の葉と、蓮の花が咲き誇る姿を組み合わせて力強く華やかに生きて羽ばたく存在になれますようにと想いを込めました。
月夜神は勇猛な獅子を胸に抱き、躍動感あふれる存在として描いています。
大瀧の化身として、大地を清めて美しい花で満たします。どんな状況であっても毒されずに、清らかな気持ちで生きることが希望に繋がるという祈りを込めました。
少し制作上の反省点として、それぞれの神を繋ぐ部分のバランスに問題があり強度が足りなかったかも。まぁアクリルで挟んでいるから問題はないのですが、次回の作品づくりに活かしたいと思います。
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