古代文明の流れを引き継ぐ民族には、特有のTATTOO文化があります。
TATTOOの語源は、タヒチ語(ポリネシア語)で「叩く」を意味する「TA TAU-タタウ」から来たそうです。もともと「タタウ(トントン)と叩く音を表現した言葉で、入れ墨を彫るときにノミに似た器具で肌を叩くように描くことからそう呼ばれるようになったそうだ。
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私の切り絵に描かれる渦と植物的なラインの意味
日本のTATTOOは浮世絵や縁起物を描く装飾的なものが主流で、権力や強さを表現する意味が強いが、トライバルタトゥーと呼ばれるものは宗教的な意味や呪術的な効果を狙った精神世界に深く根ざすものが根本にあります。
私の切り絵には、トライバルタトゥーに似たラインをあしらっています。
切り絵の下書きを描くときには、必ず線と線を繋げるということが必須条件となります。線が途切れているとバラバラになって、切り絵として成り立ちません。
これまでの一般的な切り絵に見られるような「つなげるためだけのライン」では、特に顔とかなんですけど、妙にロボットというかピカソのキュビズムのような絵になってしまうので、それはやっぱり避けたいと思いました。
そこで私が考えたのが、渦と植物を融合させたようなラインを描いて部位をつないでいく手法です。
単にデザイン的な思いつきで描いたのではなく、そこには渦は生体エネルギーの流れであり、植物的な表現は生命力を表しています。