私がテレビを見なくなった理由
ここで書くテレビ放送はインターネットを通じて見る放送ではなく、従来からある公共の電波で流されるテレビ放送のことだ。
考えてみると私は、ここ数年前からテレビ放送を全く見なくなってしまった。テレビはずっと前に処分したし、スマートフォンはiPhoneなのでもともとテレビ放送の受信機能が無い。
そうだテレビに関心がなくなったのは、切り絵制作を真剣に取り組みだした時期と同じぐらいかな。
私が広告媒体のアートディレクターであった会社員時代は、テレビ放送は「現代」を知る上でとても必要なことであり、楽しむというより仕事に必要な資料集めという感じで見ていた。
でも、会社をやめてからその必要もなくなった。
思えば私も年齢を50を越えて、この先切り絵をどれぐらい作っていけるのか?あまり悠長にだらだらと人生を過ごしてしていられなくなってきた。テレビを能動的に見るということで、自分の時間を無駄にしたくないと思った。
これがテレビを見なくなった理由のひとつだ。
TVを見るということは、こちらは受動的に情報を浴びるままとなり、強制的に無意識に洗脳され、時間を奪われていく。
考える余地もほとんどなく、矢継ぎ早に情報が視覚と聴覚を通じて入ってしまう。それはテレビに対峙していなくても、ながら観でも同様のことだ。
こんなことを続けていれば、人間としての思考力や想像力が鈍化していくのもあたりまえではないか?
退化していくテレビ番組の制作マインド
昔のように各TV局に個性があった場合は、面白かったと思う。しかし今はどこのチャンネルを合わせても同じような内容ばかり。報道の視点も同じ。全くくだらない。
そして広告主に左右されていなかったNHKでさえも、視聴者の反応を気にしすぎて無難な当たり障りのない内容の番組しかやらなくなった。
大河ドラマでも、人気のある登場人物が死ぬと視聴者からの要望で生き返らせたりするし、何なのこれは?
ネット放送は創作意欲を刺激する
その代りに規制のゆるいネット放送が面白くなった。YouTubeも好きなカテゴリーの番組はどれも個性的で飽きがこないし、創作欲を刺激する番組が意外と多いのだ。特に海外から発信される番組は優秀な物が多い。
通常のTV番組なんて見ている暇がないくらいだ。
ただテレビ番組でもドキュメンタリーや人物に密着する番組は、興味深いものがある。しかし今は、放送後すぐにネットで1週間ぐらいアーカイブが放送されるので、何の苦もなく視聴することができるので便利だ。
こうして述べてみても、やっぱりテレビはいらないなぁって思う。