古代より神と交わる聖地であると伝えられている鳥見山。
鳥見山は『日本書紀』神武天皇四年二月条によれば、神武天皇が皇祖神・天神を祀った場所である霊畤(まつりのにわ)という伝承に登場しています。
霊畤とは、新天皇が即位後最初に行う儀式をする場所という意味もあります。
磐余彦命が国家平定の基盤を造り、初代天皇「神武天皇」として今でいう大嘗祭が日本で最初に行われた場所が鳥見山の霊畤です。
忘れ去られたような時の静けさの中に佇む社殿
鳥見山公園には石の鳥居があり、ここをくぐって少し上ると勾玉池(まがたまいけ)があります。
池には亀や鯉やウグイなどの魚がのんびりと泳いでいます。夏の時期にはきれいな睡蓮の花がいくつか咲いていました。
池に沿って続く遊歩道を歩くと、薄暗い森の直前に赤い鳥居が現れます。
鳥居をくぐって森の中に続く山道を進むと小さな社殿3つ並んで鎮座していました。
ここからさらに山を登っていくと、霊畤の石碑があるそうですが、夏の暑さに負けてそこまでは行きません。
鳥見山と言う神聖な山を背景にした社殿は、とても静かで薄暗い森の中にあり、聞こえるのは虫の声のみ。
境内の隅には「降神石」という何やらパワーを発してそうな石が祀られています。
せっかくだから近くに見晴台があるというので登ってみました。
すぐ着けるのかと思っていたら、15分ぐらい急坂を登りました。少ししんどいですが頑張って登る価値はあります。
見晴らし台からは、大和の山々が展望できます。
大台ヶ原山や山上ガ岳など大嶺の山々が一望にできます。
初代天皇がこの山並みを山頂から眺めながら、天皇としての役目を神に誓ったとき何を思ったのか?そんなことを想像しながら眺めてみると感慨深いものがあります。
●鳥見神社(とみじんじゃ)の概要
所在地/宇陀市榛原萩原2741-2
祭神/
[右殿] 大山祇御祖命(わが国建国の大神で、地神・海神兼備の霊神で日本民族の総氏神)
[中殿] 皇祖天神(通常は天照大御神を指す)
[左殿] 神倭磐余彦尊(神武天皇)