老いた山猿が、静かに我が群れを眺めている。
群の行く末を案じながら仲間を見守っているのか?
若い猿たちを見ながら羨ましく懐かしんでいるのか?
野山を駆け巡っていた頃、今の自身の姿を想像していただろうか?
最期のひと息まで、与えられた命を享受する。
目次
目に飛び込む情景から物語を創作するのは楽しい
ある日、私はいつものように山里をバイクで走っていたときに道路を横断する猿の群れがありました。バイクを路肩に止めてしばらく見守っていると、最後に老いた猿が静かに悠々と横断していきました。
若い猿はキョロキョロして急ぎ足で横断していたのと対象的だったので、妙に印象に残りました。
そんなときにふと上記の物語が頭に浮かんだのです。
私も50も半ばの年齢を迎え、老いという現実と向き合うことが増えてきたように思います。いつまで目が見えるのか?いつまで体が動くのか?今やっていることをいつまでやり続けることが可能なのか?やはり気になってしまいます。
この老いた山猿のように最期のひと息まで悠々とした存在でありたいと思うのです。