技と創意– category –
アートに関して思うことや美術鑑賞、展覧会参加情報など
Thoughts, intellection and wisdom.
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池田学展 The Pen ー凝縮の宇宙ー(金沢21世紀美術館)に行ってきました!
池田学さんの制作シーンを事前に映像で見てきましたが、本当にGペンや丸ペンを使用して描かれていることに驚きました。 握りこぶし大のスペースを描くのに、1日かかるという話も十分にうなずけます。 -
海北友松展(京都国立博物館)を観てきました
海北友松という名前を聞いても、誰それ?って感じで最初は全くピンとこなかった。しかし、建仁寺の龍の襖絵と聞くと、俄然興味が出てきました。友松は、もともと武士であったこともあり、武士の描く絵という観点で想像すると、どんな表現がなされているの... -
マティスとルオー友情50年の物語
僕とルオーとの出合いは、10代の思春期真っ只中の頃でした。ルオーと言えば「黒の線」。力強く太く黒い線で描かれた絵を見た時、とても印象に残り、その絵の魅力を語る言葉も持ち合わせなかった頃に、ただ幼い感受性でガッツリと受け止めたものです。その... -
入江明日香・あめつちの詞展~生きとし生けるものへ~
兵庫県西脇市にある西脇市岡之山美術館で開催していた、入江明日香さんの展覧会に行ってきました。入江さんの作品との出合いは、いつも訪問している自宅近くのギャラリーで個展案内の葉書をもらってからです。その個展は京都であり、実際に足を運んだので... -
木の霊威とあるがままの姿で愛されてきた仏像たち「木×仏像 飛鳥仏から円空へ。日本の木彫仏1000年」
顔面が割れて、十一面観世音菩薩が現れるという姿を表現した仏像が、ビジュアルイメージに使われている「木×仏像 飛鳥仏から円空へ。日本の木彫仏1000年」という展覧会を観てきました。僕は過去に仏師の修行をしていた経験もあるのと、自然や巨樹探訪が趣... -
怒りと慈愛
外面は怒りの炎を燃やし、内面は何事も包み込む愛情の深さがある。制作し始めて気付いたのは、紙にちょっと刃を入れる角度が変わると印象がガラリと変わるので、微妙な表現に慎重になってしまう。怒りの表現と慈愛の表現のバランスを取りながら、イメージ... -
満たされないことは幸せである
「満たされないこと」は幸せ。つねに少々の不安があり、つねに少々欲しいものがあり、つねに数分が惜しくなり・・・。少しの苛立ちとも自己対話しながら、私は物心ついたころからずっと満たされないことへの問答を繰り返しているような気がする。聞くより... -
切り絵が完成する瞬間の神聖な儀式
制作している切り絵は、中心部分から切り進めて、最後に周りの余白を切り取ります。それが終われば、「切る作業」が完結するのですが、まだまだ安心はできません。この後に、のりで貼り付けてある下絵を剥がすという作業があります。作る度にデザインが細... -
切り絵と禅の精神
紙を上で刃が滑るように動かし、綺麗に切れた時の精神状態は、無心であるときだと思う。初心者によくあることは、ナイフを持つ指先に必要以上に力が入ってしまうこと。実はどんなに経験を積んでいても、精神状態によって同じように指先に力が入ってしまう... -
創作のエネルギー
グラフィックデザインを学んでいた美術専門学校時代、毎日のようにある作品制作の課題に追われて忙しい毎日を過ごしていた。同級生より入学が遅かったこともあり、3歳~5歳ぐらい年齢が離れていた。そんなこともあって、作品のクオリティでは負けたくない... -
切り絵作家の美意識
今回の作品は「美」を意識したテーマで作っています。人の美意識は実に多様で、何を基準にして美しいと感じるかというのはそれぞれの感性によって異なってきます。でも、古代から人間は美しくなりたい、美しくしてあげたい、と美を追求し続けています。こ... -
深い森から
深い深い森から、ふわりと浮かび上がる女性の姿・・・・。何を伝えに現れたのか、それはこれから彼女が語ってくれるでしょう。ただいま制作中の作品。 -
関西のビジネス情報誌に掲載されました
2015年4月1日発行の『関西ビジネスサテライト vol.32』に掲載されました。 数ヶ月前に編集長の仲井さんより直接取材して頂き、とても素敵な記事を書いていただきました。 コトバのたましいを切り抜く神仏切り絵師 秀多 「神仏切り絵師・秀多」出逢うべきコ... -
言魂切り絵に使っている文字の形について
ひと文字に宿る先人達の想いと、独自の書体を目指して詩文を下書きする時に、文字の部分は既成の書体を参考にして描いています。しかし、実際に切る時に文字の形に変化をつけています。切り絵は基本的に全ての部品が、線や面でくっついていないと成り立ち... -
光に投影される絵に命が宿りはじめる。
ある程度カタチが見えてきた時、ピリピリと張り詰めていた緊張感から少しだけ解放されます。そして楽しみなのは、そっと光をあてて、絵を投影してみること。一心不乱に紙を切っていたら気づかなかった絵の鼓動を感じて、一瞬ドキドキしてしまう。これから... -
切り絵と影の魅力
角度や光によって印象が変わるのが、切り絵の魅力の一つであり、楽しみです。完成した切り絵を正面から眺めると、鋭利な刃で切り取られた緊張感のある画面の迫力が伝わります。また、懐中電灯やスマートフォンのライトで切り絵を壁に投影すると、優しく情...