技と創意– category –
アートに関して思うことや美術鑑賞、展覧会参加情報など
Thoughts, intellection and wisdom.
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上手な絵の描き方は、現実に見えているものに真面目に向き合わないこと
絵のトレーニングとしてデッサンがありますが、これは見えているものをできるだけ忠実に描きとることで、モノを見る観察眼を養い描きとるスキルを向上させることができます。絵画の基本の「き」を知るための行為だといえます。 しかしデッサンは準備運動や... -
切り絵はナイフで描くように切ると、切ったところが生き生きとした線になる
「絵を描く道具」といえば、筆やペン、鉛筆などを一般的には想像します。 それに限らず使う絵の具が変われば道具も変わります。 今ではパソコンで絵を描く時代ですが、それでも専用のペンタブレットを使います。これもペンの一種です。 切り絵は?といえば... -
芸術家は作ることの意味を考えすぎると自滅する
私は幼少の頃から欲しい物があると、どうやればそれが作れるのだろう?って考える癖があります。 それは親に「これを買って欲しい」と安易に言いにくい家庭環境にあったことが影響しているのかもしれない。 無ければ作る、欲しければ描く、そんな思考スタ... -
切り絵で透明な水面や液体の中の物体を「らしく」表現する方法
切り絵で例えば水のような透明な物体を表現したいと思った時、どのようにすれば透明感を表現すればいいのだろうか?といつも悩みます。 私は自然にあるもの、例えば川や海などを切り絵にしたいと思ったとき、下描きの段階ではいくらでも「らしく」描くこと... -
切り絵を贈りたい相手・受け取ってほしい相手~私の作品を必要とする誰かのために~
SNSは画家にとって欠かせない宣伝ツールです。 私もFacebookやTwitterやInstagramのアカウントを持ってゆるりと運営をしています。 沢山の人に自分が作っている作品や創作の考え、個性を知ってほしいと思って投稿しています。 つながっているフォロワーに... -
外にばかり目を向けないで自分を内観すると蓄積された個性が表現できるようになる
私は常日頃にわたって自分の画力向上のため、芸術のトレンドを逃さないようにと情報収集と研究に余念がありません。 勉強熱心なのか?いやそうではありません。 実はこの行動は気をつけないと思わぬ落とし穴があるのです。 芸術を外から学ぶことは自分の芸... -
TATTOOについて
古代文明の流れを引き継ぐ民族には、特有のTATTOO文化があります。 TATTOOの語源は、タヒチ語(ポリネシア語)で「叩く」を意味する「TA TAU-タタウ」から来たそうです。もともと「タタウ(トントン)と叩く音を表現した言葉で、入れ墨を彫るときにノミに... -
約束事は守れば仏像造形の定義は自由
仏像は発祥から現代に至るまで、それぞれの姿がその時代に合わせて変化しています。 多くの日本人は、地蔵菩薩や阿弥陀如来、不動明王、観音菩薩と聞けば、なんとなくその姿を知っているはず。 仏像の姿は仏教が日本に伝わってからは、独自に変化していっ... -
老いた山猿のように…
老いた山猿が、静かに我が群れを眺めている。 群の行く末を案じながら仲間を見守っているのか? 若い猿たちを見ながら羨ましく懐かしんでいるのか? 野山を駆け巡っていた頃、今の自身の姿を想像していただろうか? 最期のひと息まで、与えられた命を享受... -
劇団壱劇屋「猩獸」から得た描きたい人間像
私が小劇場で行われる演劇が好きになったきっかけは劇団壱劇屋の舞台。 劇団壱劇屋の舞台は、迫力満点の殺陣が十分すぎるぐらいに堪能できるのと同時にセリフのない物語でも泣かせてくれるという素晴らしいものです。 ちょうど一年ぐらい前の2019年3月に劇... -
発想の源は樹魂が与えてくれる
森から聞こえるささやき声の正体は誰? 暗い樹林帯を一人で歩いていると、すぐ側ででささやき声が聞こえるような気がする時があります。空耳かな?気のせいだろうか?と最初はそう思っても、それが何度も起きるようになるとちょっと気になってきます。 そ... -
切り絵が語る物語を重視して制作すること
絵とは劇舞台と同じ空間芸術でもある この人物の年齢は90歳。しかし幼い姿をしています。なぜ幼い姿のままなのか? それはこれからこの作品が完成に向かうにつれて、この人物を語る物語が明らかになってくるでしょう。 私は絵を描くときに必ず絵に込める物... -
神仏の姿を借りて人間を表現
私は神仏を切り絵で表現していると言ってるけど、本当は「神仏の姿を借りて人間を表現している」なんです。 仏様は密教の曼荼羅を見てもわかるように、実に多種多様な姿をした仏様がたくさん描かれています。阿弥陀如来や釈迦如来、観音菩薩など柔和な表情... -
母の行動が影を育み、創作に光を求めた私
私は父を14歳のときに亡くし、それから母の背を見て育ってきました。 私の性格は一般的には社交性があるとは言えないだろう。 簡単に言えば「人に興味があるが、人が苦手」。 この性格は社会生活を営んでいるうちに、多少は改善されたが未だに初対面の人や... -
私のアトリエはキャンプ場
私がはじめてキャンプをしたのは20代半ばごろだろうか。グラフィックデザイナーという昼夜を問わない労働環境から、息抜きにはじめたのがきっかけだったと思う。 今では仕事に欠かせない行為となり、仕事の現場でもあります。 始めた頃はアウトドアブーム... -
カラヴァッジョ展~黒が描く情感のドラマ~
大阪あべのハルカス美術館で行われている「カラヴァッジョ展」を観てきました。 カラヴァッジョは17世紀バロック絵画の創始者で、イタリアが誇る天才画家、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610)。 光と闇の交錯する劇的な絵画空間...